1.09.2014

本田選手最新Youtube動画 ~入団会見に実際行って感じた本田選手の人となりと会見の裏側



1月8日、サンシーロ・スタジアムで行われた本田選手の入団会見へ行ってきました。100人程の報道陣と50台ほどのカメラがひしめく会場が、ガッリアーニ副会長と姿を現した時は騒然となりました。

会長から「ACミランのユニフォームに袖を通す最初の日本人。セードルフやボアテングという有名選手が付けてきた10番という大切な番号を背負う選手である」との紹介スピーチがあった後、数分のプロモーションビデオが流れました。



いろんな角度で撮影されたり、スタジアムでボール蹴らされたり、ミラノに着いてから、プロモのためにいろいろやらされてんな~って感じです。

その後、質疑応答に移ったのですが、最初は初インタビューと似たような内容であまり新しいコメントは出てきませんでした。

本田選手最新情報 ~ミラノでの初インタビュー動画 

が、本田選手にしてみれば、実力で自分を知らしめたいという気持ちがいっぱいで、取材を受けるより早くピッチでプレーしたいというところでしょうか?

でも、イタリアの名門セリエA、しかもACミランという伝統あるクラブが、初めて日本人を取り、しかもそれが花形の攻撃プレーヤーであり、背番号10を与えるとなれば、それなりのストーリーをメディアに紹介して納得してもらい、宣伝材料にしなければならないわけです。いくら日本で有名と言っても、こちらでは未知数の選手ですから。

この場合、「子供のころから夢見ていたリーグでプレーをするドリーム・カム・トゥルーを成し遂げた日本人」という宣伝戦略。なので、「セリエAでプレーできてどう思うか?」「(バルセロナなどではなく)どうしてセリエAでプレーしたかったのか?」「誰のファンか?」などの質問が相次ぐものの、本田の回答は一辺倒。「子供の夢だったから幸せだ」「良いプレーをするだけだ」「いろんな選手が好きだから一人の名前はあげられない」など。

ここで「カカ選手が好き」と具体的に言えば、カカ選手と少し会話したシーンが大々的に取り上げられ、「子供の頃からの夢を叶えた日本人」というメディア的においしい取り上げられ方をされるのだろうけど、「それはゴールではないんだ」というのが本田選手の暗黙のメッセージでしょう。

一貫して、「どこでプレーするのではなく、サッカーは自分の人生」というのが本田選手の答えであり、「これはあくまでも始まり。プレーを見て自分を知ってほしい」ということなのだろうと思います。世界一のプレーヤーになるというのが彼の目指すところですからね。

質疑応答も最後の方は結構おもしろいのがありました。

「サングラスをいつもかけているが、目が悪いのか?」との問いには、「これも何千回と答えてる質問ですけど、ファッションです」と苦笑しながら言い切ったり、同じイタリア人ジャーナリストから「いろんなメディアが本田選手がサムライ・スピリットをACミランにもたらすと言っているが、このサムライ・スピリットとは何なのか?」と質問され、「僕はサムライに会ったことはない」と前置きし、会場を笑わせていました。

でも、「日本男児は、不屈の精神を持ち、メンタリティーが強く、礼儀正しいと思うし、そのスピリットをピッチで見せたい」と続けました。「長友選手からのアドバイスは?」の問いには、「イタリアのファンはサッカーにうるさいので、悪いプレーをするとすぐに叩かれると言っていた。なので、良いプレーをすることが、僕の仕事です」とのこと。

最後の最後に、会場のいろんなところに飾られたWELCOME KEISUKEのロゴについて聞かれたガッリアーニ副会長は、「私のアイデアではないけれど…」と改めて見てみて「かわいいね(carino)」とお茶目に答えてました。

10番のゼロが本田選手のシルエットになってる、このロゴのことですね。


それから、ユニフォームを持っての写真撮影に。


この時、1人のカメラマンから、ユニフォームの後ろを見せてくれと指示されて、本田選手がひっくり返そうとした途端、ミランの関係者からダメだ!と止められていました。うーん、なぜでしょう? なので、背番号10と本田選手という構図は誰も撮れず。

イタリア語での会見はこれで終わりとなったのですが、日本人だけ小部屋へ移動して囲み取材が行われました。


ここでは、日本語での質疑応答で、質問内容も深いものだったので、興味深い答えが結構出ました。それは日本のメディアでチェックしていただきましょう。

質問にあまり答えず、夢のような大きなことを語るので、ビッグマウスなどと言われてしまう生意気扱いされてしまう本田選手ですが、今回会見で見てみたら、真面目で一途な青年なのだという印象を受けました。サッカーで世界一になるという夢に向けてひたむきに走っている人なのだと。

それが、どこまでラテンの国イタリアで通用するか…、やっぱり未知数です。でも、こんなに真面目にがんばっている人は日本人として誇らしいですし、良い結果につながってほしいです。

記者会見の様子を映した動画は、こちら。(見れない場合や日本語翻訳付き希望の方は次の動画)